呼吸循環管理
冷却により心拍や血圧が少し低下するが、末梢循環が保たれていればよい
必要に応じて輸液や昇圧剤の使用を検討
血液ガスは、患者の体温補正値で評価
1.循環変量
血圧は軽度低下・不変・上昇のいずれもあり
90/分程度の除脈は正常
110/分以上の心拍数はむしろけいれん発作やストレスサインの可能性
末梢循環や尿量・血液Lactateなどを参考に,ある程度の除脈は許容
2.筋弛緩剤は極力使わないで!
冷却刺激に対する交感神経刺激は有害なので,適切な鎮静は必要
メカニズムからは,麻薬系の鎮静が最適
筋弛緩剤は有害事象が多くなる
- 自律調節能を奪う
- 無気肺を作りやすい
- むくみ
- 血管内水分調節不良
- 皮膚トラブル
- ストレスサインやけいれん発作に気づきにくい
- 神経学的所見を取れない
3.呼吸管理
低炭酸ガスに注意
- 代謝低下と血液ガス値の温度変化で,二重に低炭酸ガスに陥りやすい
- 血液を37℃測定する場合(α-stat),10%程度高めのガス値を見ていることを意識し,低炭酸ガスを避けよう
加湿トラブルに注意
- 正常体温設定で高性能加温加湿器を使うと,過剰加湿になる
- 低体温設定が可能な加温加湿器は限られている
- 非加熱部分が長い回路を使うと,低加湿に陥る
- 温度・湿度を測定するか,臨床所見を参考に調節する必要